TED Talks Log

休職中4年目OLです。根本的な生きづらさを緩和するためにはどうしたらいいのか、考えたり試したり悩んだりしていきます。

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Ideas Worth Spreading

TED talk 人の感情を読むテクノロジー

テクノロジーが自分自身が自覚するよりも自分のことを知るようになったらどうなるか、このtalkでは、そんなことをテーマとして取り上げています。

現在の技術では既に笑顔が偽物か本物かを見分けることができ、最早自身の感情を隠すことは不可能にしてしまう技術も確立しつつあります。

多くの人は、自分の内面のことを知られたくない部分もあるでしょう。

表現したい自己と隠しておきたい自己を持っていて、隠しておきたい部分に関してはポーカーフェイスを貫きたいと思います。

それでも、講話者はメリットの方が多いと考えており、テクノロジーと感情を組み合わせてより人のことを感じ取れ繋がり合えるようにすることで、人をより良くする技術をつくろうとしているそうです。

既にわかっている中でも、私たちの目は脳の働き具合に反応し瞳孔の大きさを変化させ、生理的な体温変化はストレス状態やどの程度頭を働かせているか・相手への関心度合までを明らかにし、呼気の変化で不安や恐怖・喜びを計測することができます。

技術の力で感情を明らかにすることは、お互いのことをより知ることに繋がり、共感能力者の時代がやってくると話者は述べています。

これは、苦しんでいる人がそれを表出できていなくても救いの手を差し伸べることができ、芸術家が自分の作品への直接的な反応を把握することができ、といったことで意義のあることです。

テクノロジーには良い使い方も悪い使い方もできてしまう部分はありますが、透明性や効果的な規制を導入することで、信頼性のあるものとすることができ、そういった不安にさせる問題であっても取り組むだけの価値があることだとしています。

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今回の講話で印象に残った言葉はこちらです。

「私達は自分の感情の科学的痕跡を放出し続けています」

「身の回りの空間やテクノロジーが私達の感情を把握するようになるでしょう」

「私達はずっとお互いのことがよくわかるようになり、相手の人間として基本的な経験や気持ちに触れ、感情的に社会的に繋がれるようになるかもしれません」

「より深く他者と繋がり、より良い未来を作り出せるでしょう」

「私が築きたい世界は、人々がもっとお互いを気にかけ、私達が注意を向けるべき感情を誰かが抱いているときにそれとわかるような世界です」

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テクノロジー×感情・情動といった分野は最近、色々な人が扱っていることだとわかってはいたのですが、ここまで可視化できる状態になっているとは知らず、驚きと共に恐怖心を少し抱く講話でした。

未来をよくしようとするための技術は、時として凶器になりうると感じてしまう部分があります。

自動運転もそうですが、良くするために使う技術も、悪さをしようとする人が出てきてしまうと、それは一気に崩壊を招くのではないか、世界を壊せてしまうほどの影響力を持ってしまうのではないか、そんな不安が胸をよぎります。

厳重な規制をつくってルールを徹底させることで、それはどこまで防げるのかわからないですが、それでも技術自体はやはり、素晴らしいものなのだと思います。

例として挙げられている、助けが必要な状態でも助けを求められていない人を救える、というのは、それだけでも社会的に非常に意味のあることですし、上手く言語化できない部分を共有できるということは私自身あったらこの苦しさも少しはましになるかもしれない、と感じる部分があります。

誰かと共有するという意味では、例えばカウンセリングルームの外で、家庭内や友人関係でそれをしてしまうと、隠しているから上手く回っているものが壊れてしまうように思えてしまい、共感できることばかりではないからこそ適用してはいけない場面も多々あるように思いました。

使用場面を厳密に限定的に定めた上で、こういった技術をやさしい社会づくりに役立てられるといいなと思います。

 

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