TED talk 自分の声が嫌だと感じるのはなぜか
声は人間の進化と深い関係を持っています。
声を聴くことで、病気や妊娠など自分の中に起こっているかもしれない異変についてもわかるかもしれません。
また、人は話す相手によっても声を変えており、声から認識できる発話態度からその後の人間関係についても予測できます。
声には周りの人が聞く自分の声である「外向けの声」、自分の認識している自分の声である「内向けの声」、心の声である「内声」の3種類があります。
同じ自分の発する「声」であっても、外向けの声は空気を伝わって相手に届くのに対して、内向けの声は骨伝導を通して認識しているため、自分の声は外向けの声よりも低く調和がとれているように認識します。
内声は文の黙読や頭の中で流れる歌など、思考と動作との間に存在する繋がりで、「声」として表出しないものをいいます。
自分の声が嫌だと感じるのは、自分の認識している自分の声との違いから生じるものなのです。
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「自分に向けて声を発することは滅多になく、他人に"与える"という形で使います」
「人と触れ合う方法が声なのです」
「声とは世界と交流する方法なのです」
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声を分析することでその後の他者との関係性まで予測できてしまうのは、興味のある一方で恐ろしいことだとも感じました。
私も録音された自分の声が嫌だと思うことが多く、もっと低い声を出している筈なのになぜ録音されるとこんなに高く聞こえるのか、声真似をされた時に録音と近い声を発されるのだから恐らく人が聞いている私の声はそちらに近いのだろうとは思っていましたが、その仕組みがなんとなくから明確に変わるお話でした。
今後アレクサなど家庭用音声認識機器も一般的になってくると思いますが、その中で病気の兆候に気づいてお知らせしてくれる、などの機能は実装されてもおかしくないかもしれません。
しかし、人間関係の予測はどうなのだろうと思ってしまう部分もあります。
面白おかしく実装するわけにもいきませんし、持ち直せるかもしれない関係性を破壊してしまう恐れもあると思います。
科学的証明が進んでいるからこそ、考えていかなければいけない問題はより複雑になっているのでしょう。